
通信にも利用できる。ただし、高利得アンテナはビーム幅が約5度と狭いため、静止衛星の方向に自動的に指向する機能を有している。
(7)まとめ
以上に述べたとおり、MTSATは航空通信専用の衛星で、国の開発する初めての実用衛星システムである。現在、運輸省では衛星の製作を進めており、1999年3月に完成し種子島に納入される予定である。
一方、航空局では衛星を利用した航空管制システム導入のため、神戸及び茨城に地球局設備を設置するための工事を進めており、衛星に対応した航空管制システムの開発も併せて進めているところである。
また、ハード面以外にも衛星の周波数確保のための各国との周波数調整も準じ進めており、1999年夏の打ち上げに向け、ハードとソフトが一体となってプロジェクトを進めているところである。
3.2.2 通信放送技術衛星(COMETS)の開発状況(第一報)
3.2.2.1目的
通信放送技術衛星(COMETS)は、通信放送分野の技術開発衛星として、衛星間通信、高度衛星放送および高度移動体衛星通信の新技術、多周波数帯のインテグレーション技術並びに大型静止衛星の高性能化技術の開発、実験・実証を行うことを目的として開発を行う。なお、COMETSは、平成9年度夏期に種子島宇宙センターからH一?ロケット5号機により打上げられる予定である。
3.2.2.2 COMETSの主要諸元
COMETS搭載のミッション機器は、Ka帯の周波数を使用した先端的な機器で、高度衛星放送および高度移動体衛星通信に関しては科学技術庁、郵政省において実験参加の公募を行っている。バスシステムは、ETS一?で開発された2トン級大型三軸静止衛星バスをさらに高度化したもので、姿勢制御の高度化や推進系の統合化、フレキシブル太陽電池パドルの開発などを行っている。
表3.2.2−1にCOMETSの主要諸元、図3.2.2−1、図3.2.2-2に打ち上げ時および静止軌道上での外観図を示す。
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